長期使用車両とは

長期使用車両が急増中!  故障率もアップ!?

長期使用車両の不具合率の説明チャート

長期使用車両とは、その字のとおり長期間使用された車両のこと。一般的には初度登録年から10年を超えるクルマを想定していますが、走行距離や使用状況によって、その年数は変わってきます。

「20年前、30年前と比べれば、クルマの安全性能や環境性能は格段に進歩していますが、長期間使用したクルマは大事にお乗りになったとしても、走行距離、経過年数なりにガタがきます」(吉田さん)

吉田さん、澤口さんの整備工場では、整備全体の6割近くが、いわゆる長期使用のクルマだと言います。長年乗り続け、車検を複数回実施した長期使用車両は、新車から乗り続けるユーザーだけでなく、セカンドユース、サードユース等のユーザーをカウントすれば、日本全国に相当数のユー ザーがいます。

しかし、年々長期使用車両(初度登録年より10年超)のユーザーが増え続けている一方で、クルマの使用年数が増えると、整備を必要とする割合(不具合率)が増加しているにも関わらず、定期点検の実施率は大幅な低下傾向にあります。

整備士は見た! 危険極まりない長期使用のクルマ!

クルマは耐久性が高まり、長寿命化していますが、長期使用車両は、走行距離や運転の頻度に関わらず、ちょっとした不具合を放置し続けるうちに、突然故障が発生し、重大な事故や大きな出費につながることも少なくありません。
整備工場に長期使用されているクルマを持ち込んだお客様の中には、整備士が愕然とするこんな事例も……。

CAUTION 危ない! こんな愛車

  • 事例:エンジン不調

    「なんか、オイル漏れしているみたいで、エンジンがイマイチ」と、工場にいらしたお客様。エンジンを開けてみたら、オイル漏れのなれの果て、完全にエンジンが焼き付いてピストンが動かない状態になっていた。走行中に、焼き付かなかっただけでも、不幸中の幸い。早期発見&対処で費用も抑えられたはず。(吉田さん体験)

  • 事例:ブレーキ不具合

    「ブレーキの効きが悪い」とクルマを持ち込まれたお客様。ブレーキパッドだけでなく、パッドの摩擦を受け止める金属製ローターまでも、「これでもか!」というほど摩耗。いつ、まったくブレーキが効かなくなってもおかしくない状態であった。運転中、異音や違和感は、相当凄かったはず。大事故にならず、よかった。(澤口さん体験)

  • 事例:ハンドル&サスペンション不調

    ブレーキパッドだけでなく、「ハンドルをきった時、異音がする」というお客様。サスペンションのジョイント部の激しい摩耗と、各種部品の劣化が進み、末期的状態。最悪の場合、走行中に突然ジョイント部が外れるなどして、大事故になる恐れも……。(澤口さん体験)

徐々に不具合が進行するから、危険を感じにくい!?

クルマは耐久性が高まり、長寿命化していますが、吉田さん、澤口さんが恐怖を感じた長期使用車両の不具合の事例は、上記以外にも、数多あるといいます。 「どこかにぶつけて部品を傷めたというだけでなく、クルマは見えない部分で摩耗・劣化が、意外に進んでいくということを知っていただきたいですね」(澤口さん) 「ユーザーご自身が、不具合そのものに慣れてしまって故障や事故の危機意識が低くなってしまうというケースが多いんだと思います」(吉田さん)

「長期使用車両の不具合解決の糸口は、“ユーザー自身の気づき”こそ大事」と、お二方。また、整備工場に依頼する点検・整備というと、直感的に車検をイメージしがちですが、車検と車検の間にも、定期点検(1年点検:自家用乗用車の場合)が義務付けられています。専門的な知識を有する整備士に確実に点検+整備をしてもらいましょう。

次の「長期使用車両の点検・整備」では、長期使用車両のユーザーが判別しづらい 不具合箇所と盲点、その対処法のひとつである定期点検について紹介します。