第1回 整備士が語る、資格と仕事

優勝の表彰式で

▲優勝の表彰式で

整備技術や接客技術などを競う全日本自動車整備技能競技大会が2年に一度開催されています。競技者である自動車整備士は全国各地から選ばれ、実車を点検整備する実車競技や接客応対、整備アドバイスに関する競技などを行います。今回、第18回競技大会で優勝した北見地方チーム(北海道)のお二人に、参加までの経緯や整備士の資格、お客さまとの応対などについてお伺いしてみました。

整備士になって18年国家1級自動車整備士花岡龍二さん

▲整備士になって18年
国家1級自動車整備士
花岡龍二さん

整備士になって14年国家1級自動車整備士有我大悟さん

▲整備士になって14年
国家1級自動車整備士
有我大悟さん

「出場したら優勝」は有言実行になった

「出場する以上は絶対に優勝する」と心に誓っていた花岡さん、パートナーには5年間同僚だった有我さんにすると初めから決めていたそうです。週に3回は、仕事が終わってから練習し、大会本番では落ち着いてその練習の成果を発揮できたとのこと。
成績発表は8位からだったので、発表されるチームが少なくなるにつれて二人で「ランク外だね」とひそかに話していたところに優勝の発表!思わず両手を挙げて喜んだそうです。
有我さんは競技を見に来ていたお子さんに「お父さんかっこいい!」といわれたときが一番嬉しかった、と相好を崩します。

自動車整備士のいちばんのやりがいは

整備士の資格は1級から3級まである国家資格で、試験は筆記と実技があります。1級小型自動車整備士は高度な技術、アドバイザー能力、環境保全、安全管理など、社会の要請しているニーズへの応用が問われます。試験では、筆記・実技のほかに口述もあり、難関の資格です。花岡さん、有我さんは、その1級自動車整備士の資格を持っています。
花岡さんは整備士の仕事について、「整備士は高度な技術力に裏付けされた、的確なアドバイザー能力も求められる仕事だと思うんです。だからこそ、ハイブリッド車や電気自動車などの日々進化する新しい情報も常に学び、整備にきちんと生かすことが重要になります」さらに続けて、「それは結局、疑問・質問に的確で丁寧にお答えして、お客さまのカーライフすべてをサポートすることにつながるんだと思います。整備士って大変な仕事ですけど、楽しいこと嬉しいことも多いんです。きちんと整備したクルマを納車して喜んでいただけたときが最高にいい気分ですね」とおっしゃいます。
有我さんも「確かにきつい仕事だけど、クルマの整備ができると格好いいし、モテたいと思っていた時期もありました」と話します。
でも、というお二人は「やっぱり整備士はお客さまに喜んでいただけときに、なによりやりがいを感じる」と顔を輝かせます。期待通りに整備できたときの高揚感は一度味わうとクセになるようです。

自動車整備士を目指したきっかけ

有我さんがおじさんから譲り受けたラチェットレンチ(回転方向が一方向に制限されるため、ボルトやナットを素早くしめたりゆるめたりできる工具)

▲有我さんがおじさんから譲り受けたラチェット
レンチ(回転方向が一方向に制限されるため、
ボルトやナットを素早くしめたりゆるめたりできる
工具)

整備士を目指したきっかけについて、有我さんは「おじが整備士だったことかな。特に整備している姿がカッコよかったからね」と振り返ります。おじさんから譲り受けた工具は、「いちばん使いやすい」と今も大切にされ、使い込まれた工具にはぬくもりさえ感じられます。
道具やクルマに対するそんな思いは、点検整備の姿勢にも現れています。お客さまから修理を依頼されたときには、気になる点はどこかという点を十分にヒヤリングした上で、さらに関連が想定される箇所のチェックを必ず実施します。「あの時見ておけばよかった、という思いはしたくない」整備士に共通する思いです。
お客さまは、1年点検や車検のときだけという方から、アドバイスや相談に頻繁に来社される人までさまざま。「すべてのお客さまに満足していただくため、これからも知識や技術力を高めていきたい」と話してくださいました。

今回の話で、整備士の方はお客さまの満足を第一に整備していることがよく分かりました。
次回は、点検(日常点検等)のポイントを「極意」として分かりやすく話していただく予定です。お楽しみに。

※全日本自動車整備技能競技大会
(社)日本自動車整備振興会連合会が主催し、各都道府県の自動車整備振興会の行う整備技能競技大会入賞者等(ディーラー等所属の整備士は除く)が出場する。
第一線で活躍している自動車整備士の技能評価と整備士相互の連帯交流を強めるとともに、整備業界の発展と自動車の安全確保及び環境保全に寄与することを目的として2年に1回実施されている競技大会。